「アカギ」24巻感想

アカギ―闇に降り立った天才 (24) (近代麻雀コミックス)
1巻中に鷲巣さまの劇的ビフォーアフターな顔面見開きが2回もあった「アカギ」24巻を近麻発売前日に今頃レビュー。割とネタバレ注意。


内容は鷲巣麻雀南2局が終わって南3局へ突入するところまで。いよいよ本当にあと2〜3年で終わりそうな佳境*1です。
目次を見ると平成19年から20年まで近代麻雀掲載分収録と2年前の表記になっていますが、これは今後の増刷分で修正されるのでしょうか。過去に生きすぎ。


大ゴマや見開きが多く読むところが少ないので10分で読みきりましたが、アカギがめずらしく絶体絶命のピンチでよく動いてよく喋り、鷲巣さまも天国から地獄へまた天国へと「急転の闘牌」というサブタイトルなだけあって起伏に富んだ巻でした。いつもは無表情のアカギが…あんな顔をするなんてな…。





今回も相変わらず鷲巣さまの独壇場でした。75歳児絶好調ハイテンション。


今まで常人を超えた発想や奇策で逆境を跳ね除けてきたアカギでしたが、今回は特にそういった展開はなく根性と謎の心霊現象で状況を打開。
もはや「なんで死なないの?」と訊かれても「アカギだから」としか答えようがなくそれで納得がいく不思議。化け物じみた生命力に直接手を下して殺害に及びたくなる鷲巣さまの気持ちもわからないでもないですが、それは血抜き麻雀すっ飛ばして普通に犯罪です。


アカギの「生きてる…ってやつだろ…!これが……!」が「天」での赤木さんの言葉を彷彿とさせてちょっとしんみりきました。当たり前のことかもしれないけれど「アカギ」における13歳や19歳の赤木しげるのすべてが後の神域の男に繋がっているかとおもうと胸が熱くなるのです。

死ぬことは恐くない いつでも死ねる 
俺が恐れるのは俺が俺でなくなること
それだけはご免だ そこだけは譲れない…… わかるか…?

俺は…たとえ勝つにしろ 負けるにしろ
赤木しげるとして勝ち 負けたいのだ… (赤木/天16巻)


昔から「生きている」という実感が薄かったアカギに初めてリアルな生を感じさせてくれた鷲巣麻雀。
これまで命懸けのチキンランや丁半勝負でも決して自分の意思を曲げず「死にたがりの狂人」とまで呼ばれたアカギが、鷲巣と出会って初めて自分が生きていると感じることができたこと。また、決着まで生きていたいと感じたこと。


鷲巣さまも鷲巣さまでこの巻で「お前はわしにとって珠玉の宝石」とか涙ながらに言ってましたしね。感謝するぜ、お前と出会えた これまでの全てに…!ゴゴゴ






一方、アカギ生還にヘナヘナの鷲巣さまも白服にいいこと言われて大復活。

先月の「ツイッター」発言といい「ガキの使い」「黄泉がえり」「君らとは違うんです」など、最近こんな感じの迷言連発しすぎじゃないでしょうか。なんだか鷲巣さまに現代の流行りものとかTVのタイトルとか言わせて変な表情で変な動きさせとけばウケるだろう的なあざとい狙いが透けて見えてしまうようで逆に興ざめなんですが*2「レレレのレ」には吹かざるを得ない。この姿を見てさすがのアカギも「ククク……復活したか……鷲巣」じゃねーよどうにかしろよあれ。


ちなみに「アカギ」の時代設定は昭和ですが、「twitter」は元々造語でなく「さえずり」というような意味を持つ一般的な英単語なので、博識な鷲巣さまがご存知でも何らおかしくないといった建前です。
福本世界では「re」(イタリア語で王)が「鷲巣さま」、「twitter」で「苦し紛れの戯言」、「don't twitter」で「さえずるな……!」となります。



以上、総括するとやっぱり「鷲巣麻雀いつ終わるんだろう」だった「アカギ」24巻でした。チョンチョンする鷲巣さまがかわいかったです。ニセアカギはサングラスだけで気付いてもらえてよかったね。





明日発売の近代麻雀8/1号では「アカギ」巻頭カラーです。次号予告
この号では「拡がり続ける福本ワールド!!スピンオフ相関図」、さらにその次の8/15号では実録読み切りの「【麻雀最強戦オールスター〜福本伸行、魂の一打〜】城埜ヨシロウ 協力:福本伸行」なんかも載るみたいですね。


それから6月いっぱいで麻雀博物館での赤木しげるの墓展示が終了してどうやら吉祥寺のバーに戻ってくるらしいですがまだ公式発表待ちみたいです。
 
 

*1:毎年言ってるような気がする。

*2:福本先生は天然で充分おもしろいから安易なウケ狙いに走らなくていいのよ…!