「賭博覇王伝零 ギャン鬼編」復活新連載1話感想

伝説のギャンブル漫画「賭博覇王伝零」復活新連載!
ギャンブルの天才・宇海零が帰ってきた!黄泉の国から戦士達が帰ってきた!


新シリーズ名は「賭博覇王伝零 ギャン鬼編」。ギャン鬼。これは。これはダサい。
右のマガジンは2007年の連載開始時のもの。ずぶ濡れのまま笑う零さん安定。「勝利か死か」という言葉がここに来て重く響いてくるとは。表紙の上戸彩がすっかり女性らしく成長したことに歳月を感じさせます。我々は2年4ヶ月待ったのだ。



当時のマガジンは逆境無頼カイジ第1話にも登場しています。*1
カイジも愛読している「賭博覇王伝零」が読めるのは週刊少年マガジンだけ!





以下ネタバレ。


第1話「伝説」。巻頭カラーから目頭が熱くなります。零が生きてる。夢じゃなかった。
ここで標様の髪の色がはじめて判明。銀髪でした。アカギといい銀さんといい天才の色素はなぜ薄いのか。*2
何気に白スーツに紫シャツというインテリヤクザの色彩センスにも驚きです。主人公を差し置いて最前にいる在全様と反対に後ろのほうにかろうじて首だけ見えるユウキの扱い。五体満足を確認できない限りは安心できない。

トランプや花札、サイコロなど今後のギャンブルに登場しそうなモチーフも配置されています。麻雀牌を目にした瞬間、脱力のあまり膝が折れるかとおもいました。おいやめろマガジンの麻雀漫画は哲也で終了でいいだろ。その下に転がっている黒い玉の存在も気になります。今度はコロリといけるチョコボールか。






物語はあの衝撃の最終回の直後からスタート。車ごと崖に突き落としておいて誰も出てこない候補者たちにクズと毒づく在全様でしたが数名の生存者を発見して大興奮でこのはしゃぎぶり。それでも「儂が死んだら世界が終わりじゃ!」と確固としたワールドイズマインの精神により、重傷の怪我人よりも黒服総出で自分を優先させる在全様。まるでぶれない。






そんな在全様を見て年甲斐もなくポエムじみたことを口走る利根雄に「何うっとりしてんだ?」と冷静に切り込む標。あれ?標こんなマジレスするような子だったっけ?
恥ずかしい独り言を聞かれ顔面蒼白で慌てふためく利根雄。車が落ちる前にさっさと下りていた標もまた「神風は吹かない!女神は微笑まない!」と見開きポエムで零の身を案じます。文字だけのページはあっても見開きは何気にはじめてじゃないですか。もちろん文字だけでも原稿料は発生します。
果たして零は、この極限状態でどんな劇的な生存戦略を見せてくれるのか。






えっ?






えっ……???????????えっ???えっ????数年後??????誰???

応援ありがとうございました!福本先生の次回作にご期待下さい!
一歩間違えてエクゾスカル零がはじまるのはまだ許容範囲だとしても、まさか「あれから数年後…」オチからのライジングインパクトがはじまるとは、はるか斜め上をロケットで突き抜けた圧倒的展開を誰が予想したでしょうか。賭博覇王伝零とはなんだったのか。20☓☓年って結局何年なんだよ特命リサーチじゃねーんだぞ。
17歳だった零くんが数年経って成人しているのかまだ未成年なのかアカギより年上なのか年下なのかそれが問題です。






ゴルフ学生チャンピオンの新キャラ結城京介くん。結城とユウキで熾烈なポジション争いが繰り広げられそうです。
そんな京介の前に現れた謎の男。坂崎のおっちゃん!おっちゃんやないか!
いやまさかこれが末崎のほうのおっちゃんのはずないですよね。零にこんなエセ関西弁話す軽薄なオヤジはいないですよね。いやいや。





【数年前の末崎さくら】

1話では泣き叫ぶ子供の指を潰そうとしていたあのヤクザが。なんという。なんということでしょう。一人称すら定まっていないとか。丸くなったねの一言では済まされない。
福本先生ひさしぶりだから単純にキャラ設定忘れちゃっただけですよね。零唯一のヒロインである末崎さくらをおもいだして。父親が外交官でおなじみのさくらを。






きた!零きた!メイン零きた!これで勝つる!黒い!!!!!!(第一印象)
どどどdどうしちゃったの零くんどうしちゃったの。来日した海外セレブみたいな堂々とした大物オーラどうしちゃったの。サングラスにタートルネックという少年誌の主人公としてのオーラは微塵も感じられない服装どうしちゃったの。福本先生そんなに零のジャージ描くの面倒くさかったの。しまむらで今すぐ一式揃えられそうな服すぎて零コスプレと言われても気づかずに素通りするレベル。胸の矢印みたいなワンポイント何?クリック推奨?
そしてさくらちゃんに抱きつかれても気にも留めない余裕の無表情。





【数年前の宇海零】

末崎のおっちゃんに強引に誘われておもわず赤面しちゃうようなフレッシュレモンな零くんは どこに行ってしまったのか。誰が 誰が零くんの笑顔を奪ってしまったのか。カイジが一生越えられない性的な壁を越えてしまった感すごい。






シャベッタアアアアアアア!!!!!!
友情出演の石川遼と手と手を取り合って挨拶代わりのファーストコンタクト。マメどころか右も左も同じ色したきれいな零くんの手をニギニギできる権利くれ。山口にまつげを生やしただけに見える造形ですが、零といい標といい福本漫画にしてはまつげ率が高いです。
そしてしばらく見ないうちに、零は一発勝負なら種目を選ばず必ず勝つという不敗伝説のギャンブラーになっていました。不敗伝説(笑)







ワイは零や。プロゴルファー零や。
ここまで読んでようやく零が挑むカタカナ3文字のギャンブルというものが「ゴルフ」だということに気がつきました。節子それギャンブルやないスポーツや。
つまり福本先生は趣味が高じてゴルフ漫画を描いちまったってことですよ。今までの巻末コメントでもゴルフ話が頻出していましたがまさか漫画にまで出てくるとは。先生ゴルフ好きすぎ。師匠であるかざま鋭二先生の代表作「風の大地」リスペクトでもあるのでしょうか。







カラーをよく見ると文字に隠れて見えづらいながらもしっかりゴルフボールがある罠。


ギャン鬼1話 おもしろかったです。
零のあまりの豹変に涙目で右往左往しましたが、最後に相手を尊重する零の言葉でようやく今までの零に通じるものを感じてすこし救われました。それでも「勝つのはオレなんだ」と強気に言い放つ今までにはなかった零の自信は、数年で相当の経験を積んで成長したからこそ培われたものだとおもうんですよね。だからこそ肝心の数年間が気になるんですよね。なんでそこが1ページですっ飛ばされてるんだオイイイイ。

でもよかったのかもしれない。過去のトラウマをわざわざ掘り返さなくてもよかったのかもしれない。零くんあの時のこと思い出そうとすると突然頭を抱えて発狂してしまうからこれでよかったのかもしれない。というような気持ちになってきました冷静になった今では。*3オゾンより下なら問題ない。


いくら賭博の天才と言えどクラブも握ったことのないド素人がプロ級のゴルファーにどんな策を打つのか。今後の展開がまったく読めません。大人になった零くんの!ちょっといいとこ見てみたい!次週の大増28ページもたのしみです。*4 
 
 

*1:自室で遠藤さんに車のイタズラについて問い詰められ、慌てて雑誌やエンブレムをばら撒くシーンより。

*2:あの二人はどちらかというと銀髪でなく白髪ですが。

*3:アカギも13歳から19歳までが空白だからこそ個々で脳内補完できるわけですし。

*4:長くてすみません感想まだ続きます。