逆境無頼カイジ破戒録篇10話感想「最後の博奕」
先週から生活環境が変わったため更新に割ける時間が飛散しました。砂吐いてます。
日本最高峰のヘタレ名曲(公式)でおなじみ忘れらんねえよCDシングル「CからはじまるABC」は8月24日発売。紙をちぎったようなコラージュイラストタッチのポップなPVも公開中です。これでカラオケにも収録されますね。よかったよかった。
2週遅れの以下ネタバレ
続きを読む「賭博堕天録カイジ 和也編」6巻感想
賭博堕天録カイジ 和也編(6) (ヤングマガジンコミックス) 福本 伸行 講談社 2011-06-06 売り上げランキング : Amazonで詳しく見る |
6月6日に「賭博堕天録カイジ 和也編」6巻が発売されました。
救出ゲーム12回戦から13回戦の模様が収録されています。残機1でハンマーブロスに遭遇した時のような顔のマリオが目印です。和也編なのに和也が表紙に出てきたのが1巻だけなので初見の人は表紙だけだと肝心の和也が誰だか判別できなさそうなきがします。
↑6巻を読んだ一部読者の心境
決しておもしろくないことはないのですが、あいかわらずおそろしく展開がおそいです。あからさまな大ゴマや大セリフ*1が増えてなおも引き伸ばされる亀の歩みに身を捩り絞り揺らしとどのつまり福本漫画にはよくあること。
全16回戦の区切りがあるのでこのまま13巻とは考えづらいですが2009年の10月から1年半以上続いているこの救出ゲームもそろそろ佳境とおもいたい。次週から和也が〆切に追われながらラノベを執筆する吼えろペン編でもいいからとにかくこの長丁場を終わらせてほしい。カイジに生きがいを与えてあげて。
「ククク」「クククじゃねえっ!」
カイジでお笑いの基本テクニックである天丼を見ることになろうとは。
仲間が助かった「安堵」を「落胆」と見て取るなど何から何まで事実をそのまま受け取らずにねじ曲がった推測を主張する和也。そんなミスター悪意に体を張って噛み付くカイジ。ネガティブ野郎とポジティブ野郎。絶望先生と風浦可符香的な。些細な会話でもボケとツッコミが成立しています。和也が心底楽しそうでよかったね。
前巻から引き続きマリオがパニックでバグ状態に陥りマンマミーア。しかしタンマを先生に認めてもらえず、死んじゃう抽選でゲーム強制執行。これはひどい。
もういい……!もう……休めっ……!休めっ……!マリオっ……!
カイジ「かっこいい〜〜〜〜〜〜!チャ〜〜〜〜〜ン!>▽<」
そんな中チャンの株が急上昇。カイジも思わず憧れの先輩を応援する女子高生みたいなノリに。さらに「チャンはデキる」「たいした奴だ」と大絶賛。前からチャン推しの傾向はあったものの戸惑いを隠せない。チャンかっこいいよチャン。
未来は僕等の手の中。
和也の的外れと思われた思考から生まれる毒や邪気があとからじわじわと効いてきます。この引きは熱い。久々に熱かった。果たしてアジア三人組は悪魔じみた誘惑や混乱に打ち勝ち、最後までお互いを信じて勝利を手にすることができるのか。
おまけ。6巻で一番なごんだシーン。
そしてまた悲しみのない時間のループへと飲み込まれていく孤独の観測者こと、子供の墓を見ただけで泣き出すことでおなじみ*2の主人公カイジさん6巻でも主に泣いてます。
無言でコクコクするとかおま…おまえ…ちょっと…I NEED YOU…
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アカギ公式アンソロジーざわざわ増刊本日発売
(引用元:アカギ アンソロジーざわ…ざわ…増刊☆6月3日発売☆)
福本伸行公認!ざわ…ざわ…するほどの豪華&多数の漫画家が描く公式アカギアソロジー増刊!
アカギアンソロジーざわざわ増刊は6月3日本日発売です。アンソロジーです。表紙の大きい画像はこちら。コンビニや一般書店にて販売予定。定価は税込390円と5000ペリカのビール1本買うよりも安いお値打ち価格なので、買い占められる前に雑誌売り場で鷲巣様(紫)と握手!
「ざわ…」っていうと「ざわ…」っていう。こだまでしょうか。
アカギから公式で商業アンソロが出るとはおもいもしませんでした。硬派を貫いていたのかマーケティングが下手なのか女子供相手には見向きもしなかった竹書房が本格的に搾取のためのアップをはじめたようです。赤木しげる十回忌あたりから異変を感じつつありましたが、アカギチョコ瞬殺が完全に決定打だとおもいます。あれは別領域からの刃。
事前に表紙や広告で告知されている企画は以下の通り。
ちょっとよくわからないです。
少なくともネタとしては話題に事欠かなさそうなきがします。
記念すべき初の公式アカギアンソロに名前を連ねるのは総勢28名の豪華執筆陣。
名前だけだといまいちピンとこなかったので代表作(たぶん)も併記しています。
- 西原理恵子 (毎日かあさん)
- CLAMP (カードキャプターさくら)
- 甲斐谷忍 (ONE OUTS)
- 喜国雅彦 (いつも心に太陽を!)
- 高橋のぼる (ジャンロック)
- 村田ひろゆき (工業哀歌バレーボーイズ)
- こしばてつや (リモート)
- いがらしみきお (ぼのぼの)
- みずしな孝之 (いい電子)
- 浜田ブリトニー (パギャル!)
- 岩谷テンホー (みこすり半劇場)
- 鈴木マサカズ (無頼侍)
- 志名坂高次 (凍牌)
- 押切蓮介 (でろでろ)
- 田中圭一 (ドクター秩父山)
- カラスヤサトシ (おのぼり物語)
- トニーたけざき (トニーたけざきのガンダム漫画)
- 大井昌和 (一年生になっちゃったら)
- 鈴木ツタ (あかないとびら)
- 田中琳 (フィダンツァートのためいき)
- 桑田乃梨子 (だめっこどうぶつ)
- 柘植文 (野田ともうします。)
- 山東ユカ (カテゴリテリトリ)
- こいずみまり (みずほアンビバレンツ)
- おーはしるい (わくわくワーキング)
- 師走冬子 (スーパーメイドちるみさん)
- 伊藤黒介 (ベルとふたりで)
- 神原則夫 (西校ジャンバカ列伝かほりさん)
主に近代麻雀や竹書房繋がりの漫画家がずらり。さすが天地を揺るがす神域のラインナップです。4コマ漫画誌になるとわたしもそこまで詳しくないですが、大体は聞いたことのある名前でした。しげるアンビバレンツ期待。追記で田中琳先生だけ「田中琳with栖賀まゆ」という合同名に変更されているみたいです。
執筆陣の中には、今まで福本作品絡みのネタを描いたことのある方もちらほら。
「人生画力対決」で歴史に残る名勝負を繰り広げ、福本先生とは旧知の仲でもあるもはや説明不要の西原理恵子先生。
アニメ放送時「今4人揃って観ている唯一のアニメはアカギです」とブログなどで公言、2008年の近代麻雀オリジナルに「鷲巣様とゆかいな仲間たち」という同人漫画を寄稿し、「XXXHOLiC」の麻雀回では「今あたしの後ろでアカギタンと哲也君と明菜ちゃんが見守ってくれてる感じ〜」などと次元の魔女に言わしめたガチ漫画家集団CLAMP。
「神罰」収録の「歌留多勝負師トクラ」で、モザイク入り局部カルタというひどすぎる新ジャンルを生み出した田中圭一先生。この方はなぜか「サマーウォーズ」の公式アンソロでも福本パロをやらかしていたので期待が持てます。
師走冬子先生などリアルに二次に傾いてる感じの方は自重しておきますがアレですね。梅書房から鈴木ツタ先生が参加していることには軽いカルチャーショックを受けました。
一般誌に連載を持つ漫画家で何らかの形でアカギを描いたことがあるよ基準でいえば山田J太先生とか中村光先生とか伊藤悠先生とか忍先生とかギリギリのラインで行けなくもないような。みさくらなんこつ大先生とか。
甲斐谷忍先生がアンソロに寄稿するにあたって練習で描いたアカギ。夢に出そう。
アカギアンソロ手に入れたらそのうちのろのろと感想書くとおもいます。
また、7月27日にはアカギ関連書籍が一挙に4冊同時発売されます。
- 1年ぶりの最新刊「アカギ 25巻」
- ひろゆきスピンオフの「HERO 3巻」
- 単行本化で値上がり「アカギざわ…ざわ…アンソロジー」
- どうしてこうなった「アカギ 24.5巻 雀士最強列伝キャラファンブック」
にわかには信じがたい怒涛のアカギ祭り。ところがどっこい現実です……これが現実……!
いつからアカギはアンソロジーだのファンブックだのチャラ臭い商売に手を染めるふしだらな子になったざんすか。ファンブックなんてものに期待してはいけないとおもいながらとりあえずアカギの生年月日とメールアドレスだけでも教えてください頼むから。
まあ正直たのしみですし結局買いますし。むしられるだけむしられますし。
このままアニメOVA化や実写3D映画化、痛車マシンレーシング化、最終的には武道館での赤木しげる追悼コンサートライブ開催までロケットでつきぬけてもらいたいです。
映画「カイジ2」追加キャストと予告編
11月5日公開の実写映画「カイジ2」の追加キャストが発表された。石田裕美役を吉高由里子、利根川幸雄役を香川照之、坂崎孝太郎役を生瀬勝久が演じる。
お気付きかとおもいますが当ブログはおよそ1週間以上前に起こった周知の出来事に対して無駄な文章量を積もらせるだけのスタンスで運営しております。お使いのパソコンは正常です。時空のゆがみは発生しておりません。
はい!追加キャスト!来ましたね!予告かっこいいですね!クリックするといきなり殺人予告じみた罵声を浴びせられるので気を付けてくださいね!
沼に立ち向かうのはニートとメイドとホームレスとオッサンという異色の4人組。クズの皆様が帰還しました。賭博界のスフィア結成である。
- 石田裕美役 吉高由里子
借金から身を逃れるため安田という偽名で新富下駅前のパチンコ店で働いていた石田裕美は原作では石田さんの女房の名前でしたが、映画版では愛娘として登場した石田裕美。遠藤凛子に代わる紅一点オリキャラです。本人もあのチョイ役がヒロインに出世するとは予想外だったのでは。息子なんていなかった。
「裕美はカイジにとって敵か味方か最後まで分からない、計り知れない役」と謎めいた吉高発言が気になりますが、どうせなら派手に裏切って恋愛ルートという幻想をぶち殺し、カイジの頭を踏み躙って号泣させるくらいしてほしいです。
リアル焼き土下座は回避したものの地下帝国行きとなった利根川先生まさかの敗者復活戦。香川さんほどの役者をまだ退場させるわけにはいかない。
カイジとはスラム街で再会するそうですが変わり果てた薄汚い姿はどう見てもホームレス、黒沢風に言うとホープレスです。なんとおきあがりなかまになりたそうにこちらをみている。ということでかつて戦った強敵と共闘するというバトル漫画さながらのベタな展開に胸を熱くせずにはいられんのだ。
- 坂崎孝太郎役 生瀬勝久
坂崎のおっちゃん役には初登場の生瀬勝久さん。「ごくせん」の教頭役のイメージが強いです。青いスーツにヒゲを生やし、ビジュアル的にはこの中の誰よりも原作のイメージを意識してくれているので確実にいい人だとおもいます。目の大きさや飛び出し具合もほぼ二次元です。兵庫出身らしいので関西弁も完璧。
あとは娘の美心は実写化されるのか否か。石田娘と坂崎娘の夢のタッグは実現されるのか。このポイントに尽きます。
遠藤さんは前作ラストで破戒録のおいしい部分を一人で全部さらっていってしまったので再登場はないとおもいますが、こうして見ると遠藤さん要素は石田娘と利根川に上手く分割されてますね。もたいまさこの再登場はわかりません。
今回は脚本に原作者の福本伸行先生も参加、新ゲームが書き下ろされました。
- 命懸けの三択「姫と奴隷」
3つの選択肢から正解を探りあてなければ本物のライオンにおそわれるという、賭博覇王伝零でやれと言いたくなるようなゲーム。雄ライオンが2頭実際に撮影に挑戦したそうで映画映えしそうです。ただカイジの目は死んでます。
オリジナルゲームと聞いて原作信者が立ち上がりかけましたが福本先生ご本人が書き下ろしたとなればぐうの音も出ない。唯一神を盾として味方取るとは卑怯。それでいて最強。むしろ映像化の脚本に原作者が関わるなんてめったにないことだとおもうのでよろこばしいです。ただカイジの目は死んでます。
- 地下からの脱出「地獄チンチロ」
カイジくん懲りずにまた借金作ったんだねとほほえましいまなざしを向けたくなるような地下帝国へのUターン。泥臭い格好がまた悲哀を誘います。
アニメの班長は言うまでもないですが何気に実写版の再現度もすばらしいです。給料手渡しからビールを持ちかける悪魔の誘惑までの形式美。前作では班長が本領発揮する前にカイジが地下を出てしまったので、松尾スズキさんによる暗黒面の班長を堪能できるのがたのしみです。限られた時間の中でチンチロ編のすべてを描くことはできないにしても、カイジの中でも屈指の出来をほこるギャンブルなのでここはあまり改悪してほしくないなあとはおもいます。
- 巨大モンスター「人喰い沼」
うわあ なんだか凄いことになっちゃったぞ という感じの沼。沼と聖也に関しては前回の記事でつっこんだのでだいたい割愛しますがアングラ感ただよう薄暗い裏カジノでカイジが沼を打つ様子はまるでB級アトラクション。パチンコ玉が次々と吸いこまれていく電光表示カウントダウンは圧巻です。
強制労働15年→27年、20日で6000万→2週間で2億、当たれば7億→10億、予告では原作と比べて全体的に数字がマシマシされています。
予告はいろいろとネタバレになりかねないカットがありましたがとりあえず目線入りの肖像画でコーヒー吹いた。佐藤慶さん亡き今兵藤会長役が誰になるのかも気になります。あの後トランポリンの上に落ちて奇跡的に一命を取り留めた佐原誠役の松ケンはもちろん今回の映画にもオファー来てますよね。そういう設定なんですよね。わたしの中では。
鉄骨から落ちて逝った石田の意志を、カイジが裕美に届けるところで映画は終わる。その届いた意志を、未来に繋げてくれるようなラストにしたかった。
吉高さんには、こちらの想像力をかきたてる何かがあると思った。だから、「カイジ」のラストを彼女に託したのだ。
吉高由里子|佐藤東弥 監督ブログより。
「ギャンブルの世界に女性は必要ない」という男だらけの福本作品への女性介入はどうしても抵抗を感じますが、前作を観て「ほとんどオッサンしか出てこないスクリーン」が想像以上にむさ苦しく、天海祐希さんの華のある美しさが一瞬の清涼剤のようにも感じられ、一人くらいはいてくれたほうがいいと手のひらを返したくちなので、ゆりしーにも期待を寄せています。
映画版カイジは「賭博」ではなく「ゲーム」であり「痛快エンターテイメント大作」らしいのでより興行収入を稼ぐためにより間口を広く大衆に受ける要素を取り込むのは当然ですしおすし。「GANTZ」の例を見てると安易な女性向けジャニーズ映画にならなかっただけましだとおもいます。裏カジノの女性従業員の制服がメイド服なのは決して一条店長による悪趣味でないことを祈りたい。
クランクアップして編集作業も一段落ついたそうで、完成が待ち遠しいです。
映画「カイジ2」は11月5日公開予定!