映画「カイジ2」追加キャストと予告編

11月5日公開の実写映画「カイジ2」の追加キャストが発表された。石田裕美役を吉高由里子利根川幸雄役を香川照之、坂崎孝太郎役を生瀬勝久が演じる。

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はい!追加キャスト!来ましたね!予告かっこいいですね!クリックするといきなり殺人予告じみた罵声を浴びせられるので気を付けてくださいね!





沼に立ち向かうのはニートとメイドとホームレスとオッサンという異色の4人組。クズの皆様が帰還しました。賭博界のスフィア結成である。

借金から身を逃れるため安田という偽名で新富下駅前のパチンコ店で働いていた石田裕美は原作では石田さんの女房の名前でしたが、映画版では愛娘として登場した石田裕美。遠藤凛子に代わる紅一点オリキャラです。本人もあのチョイ役がヒロインに出世するとは予想外だったのでは。息子なんていなかった。
「裕美はカイジにとって敵か味方か最後まで分からない、計り知れない役」と謎めいた吉高発言が気になりますが、どうせなら派手に裏切って恋愛ルートという幻想をぶち殺し、カイジの頭を踏み躙って号泣させるくらいしてほしいです。

リアル焼き土下座は回避したものの地下帝国行きとなった利根川先生まさかの敗者復活戦。香川さんほどの役者をまだ退場させるわけにはいかない。
カイジとはスラム街で再会するそうですが変わり果てた薄汚い姿はどう見てもホームレス、黒沢風に言うとホープレスです。なんとおきあがりなかまになりたそうにこちらをみている。ということでかつて戦った強敵と共闘するというバトル漫画さながらのベタな展開に胸を熱くせずにはいられんのだ。

坂崎のおっちゃん役には初登場の生瀬勝久さん。「ごくせん」の教頭役のイメージが強いです。青いスーツにヒゲを生やし、ビジュアル的にはこの中の誰よりも原作のイメージを意識してくれているので確実にいい人だとおもいます。目の大きさや飛び出し具合もほぼ二次元です。兵庫出身らしいので関西弁も完璧。
あとは娘の美心は実写化されるのか否か。石田娘と坂崎娘の夢のタッグは実現されるのか。このポイントに尽きます。


遠藤さんは前作ラストで破戒録のおいしい部分を一人で全部さらっていってしまったので再登場はないとおもいますが、こうして見ると遠藤さん要素は石田娘と利根川に上手く分割されてますね。もたいまさこの再登場はわかりません。





今回は脚本に原作者の福本伸行先生も参加、新ゲームが書き下ろされました。

  • 命懸けの三択「姫と奴隷」

3つの選択肢から正解を探りあてなければ本物のライオンにおそわれるという、賭博覇王伝零でやれと言いたくなるようなゲーム。雄ライオンが2頭実際に撮影に挑戦したそうで映画映えしそうです。ただカイジの目は死んでます。
オリジナルゲームと聞いて原作信者が立ち上がりかけましたが福本先生ご本人が書き下ろしたとなればぐうの音も出ない。唯一神を盾として味方取るとは卑怯。それでいて最強。むしろ映像化の脚本に原作者が関わるなんてめったにないことだとおもうのでよろこばしいです。ただカイジの目は死んでます。

  • 地下からの脱出「地獄チンチロ」

カイジくん懲りずにまた借金作ったんだねとほほえましいまなざしを向けたくなるような地下帝国へのUターン。泥臭い格好がまた悲哀を誘います。
アニメの班長は言うまでもないですが何気に実写版の再現度もすばらしいです。給料手渡しからビールを持ちかける悪魔の誘惑までの形式美。前作では班長が本領発揮する前にカイジが地下を出てしまったので、松尾スズキさんによる暗黒面の班長を堪能できるのがたのしみです。限られた時間の中でチンチロ編のすべてを描くことはできないにしても、カイジの中でも屈指の出来をほこるギャンブルなのでここはあまり改悪してほしくないなあとはおもいます。

  • 巨大モンスター「人喰い沼」

うわあ なんだか凄いことになっちゃったぞ という感じの沼。沼と聖也に関しては前回の記事でつっこんだのでだいたい割愛しますがアングラ感ただよう薄暗い裏カジノでカイジが沼を打つ様子はまるでB級アトラクション。パチンコ玉が次々と吸いこまれていく電光表示カウントダウンは圧巻です。


強制労働15年→27年、20日で6000万→2週間で2億、当たれば7億→10億、予告では原作と比べて全体的に数字がマシマシされています。





予告はいろいろとネタバレになりかねないカットがありましたがとりあえず目線入りの肖像画コーヒー吹いた佐藤慶さん亡き今兵藤会長役が誰になるのかも気になります。あの後トランポリンの上に落ちて奇跡的に一命を取り留めた佐原誠役の松ケンはもちろん今回の映画にもオファー来てますよね。そういう設定なんですよね。わたしの中では。

鉄骨から落ちて逝った石田の意志を、カイジが裕美に届けるところで映画は終わる。その届いた意志を、未来に繋げてくれるようなラストにしたかった。
吉高さんには、こちらの想像力をかきたてる何かがあると思った。だから、「カイジ」のラストを彼女に託したのだ。
吉高由里子|佐藤東弥 監督ブログより。


「ギャンブルの世界に女性は必要ない」という男だらけの福本作品への女性介入はどうしても抵抗を感じますが、前作を観て「ほとんどオッサンしか出てこないスクリーン」が想像以上にむさ苦しく、天海祐希さんの華のある美しさが一瞬の清涼剤のようにも感じられ、一人くらいはいてくれたほうがいいと手のひらを返したくちなので、ゆりしーにも期待を寄せています。


映画版カイジは「賭博」ではなく「ゲーム」であり「痛快エンターテイメント大作」らしいのでより興行収入を稼ぐためにより間口を広く大衆に受ける要素を取り込むのは当然ですしおすし。「GANTZ」の例を見てると安易な女性向けジャニーズ映画にならなかっただけましだとおもいます。裏カジノの女性従業員の制服がメイド服なのは決して一条店長による悪趣味でないことを祈りたい。


クランクアップして編集作業も一段落ついたそうで、完成が待ち遠しいです。
映画「カイジ2」は11月5日公開予定!