「賭博堕天録カイジ 和也編」6巻感想

賭博堕天録カイジ 和也編(6) (ヤングマガジンコミックス)賭博堕天録カイジ 和也編(6) (ヤングマガジンコミックス)
福本 伸行

講談社 2011-06-06
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6月6日に「賭博堕天録カイジ 和也編」6巻が発売されました。
救出ゲーム12回戦から13回戦の模様が収録されています。残機1でハンマーブロスに遭遇した時のような顔のマリオが目印です。和也編なのに和也が表紙に出てきたのが1巻だけなので初見の人は表紙だけだと肝心の和也が誰だか判別できなさそうなきがします。





↑6巻を読んだ一部読者の心境
決しておもしろくないことはないのですが、あいかわらずおそろしく展開がおそいです。あからさまな大ゴマや大セリフ*1が増えてなおも引き伸ばされる亀の歩みに身を捩り絞り揺らしとどのつまり福本漫画にはよくあること。
全16回戦の区切りがあるのでこのまま13巻とは考えづらいですが2009年の10月から1年半以上続いているこの救出ゲームもそろそろ佳境とおもいたい。次週から和也が〆切に追われながらラノベを執筆する吼えろペン編でもいいからとにかくこの長丁場を終わらせてほしい。カイジに生きがいを与えてあげて。





「ククク」「クククじゃねえっ!」
カイジでお笑いの基本テクニックである天丼を見ることになろうとは。
仲間が助かった「安堵」を「落胆」と見て取るなど何から何まで事実をそのまま受け取らずにねじ曲がった推測を主張する和也。そんなミスター悪意に体を張って噛み付くカイジ。ネガティブ野郎とポジティブ野郎。絶望先生風浦可符香的な。些細な会話でもボケとツッコミが成立しています。和也が心底楽しそうでよかったね。





前巻から引き続きマリオがパニックでバグ状態に陥りマンマミーア。しかしタンマを先生に認めてもらえず、死んじゃう抽選でゲーム強制執行これはひどい
もういい……!もう……休めっ……!休めっ……!マリオっ……!





カイジ「かっこいい〜〜〜〜〜〜!チャ〜〜〜〜〜ン!>▽<」
そんな中チャンの株が急上昇。カイジも思わず憧れの先輩を応援する女子高生みたいなノリに。さらに「チャンはデキる」「たいした奴だ」と大絶賛。前からチャン推しの傾向はあったものの戸惑いを隠せない。チャンかっこいいよチャン。





未来は僕等の手の中。
和也の的外れと思われた思考から生まれる毒や邪気があとからじわじわと効いてきます。この引きは熱い。久々に熱かった。果たしてアジア三人組は悪魔じみた誘惑や混乱に打ち勝ち、最後までお互いを信じて勝利を手にすることができるのか。





おまけ。6巻で一番なごんだシーン。
そしてまた悲しみのない時間のループへと飲み込まれていく孤独の観測者こと、子供の墓を見ただけで泣き出すことでおなじみ*2の主人公カイジさん6巻でも主に泣いてます
無言でコクコクするとかおま…おまえ…ちょっと…I NEED YOU…



過去記事


以下拍手お返事。
>チョコ豆さん
コメントありがとうございます!アンソロ意外と手に入りづらかったようでコンビニ難民された方が多かったみたいですね。無事に買えてなによりです。そしてチョコ豆さんが順調に福本泥沼に浸かっているようでニヨニヨしています。やっぱり陥落したての頃が一番たのしいですよね。読破おめでとうございますわああ。黒沢も零もおもしろくて大好きで続きが読めるのを心待ちにしてる作品ですはあはあ。わたしも二等辺三角形のあたりで数字にやられて頭痛くなりました。天は古めの作品なので漫画喫茶には置いてないところも多いかもしてません。手頃な廉価版がコンビニで定期的に刊行されてますし、麻雀漫画の枠を越えて赤木しげるの生き様が描かれたラスト3巻は特に名作と名高いので、そこだけでもぜひぜひ読んでみてください。福本漫画は量が多いのでなかなか大変ですよね…。

*1:溜めではなく畳み掛けるようなビックリマーク連呼も増量。

*2:和也編1巻参照。