「トイ・ストーリー3」「ヒックとドラゴン」夏映画感想

今年の夏は「宇宙ショーへようこそ」「告白」に続いて映画を多く観ることができたので、まとめて感想など書いてみます。直接のネタバレなし。


トイ・ストーリー3

前作『トイ・ストーリー2』から11年、ピクサーが生み出した世界中で人気のCGアニメーションの第3弾。間違って捨てられそうになってしまったおもちゃ仲間たちが向かったのは託児施設。そこは一見、おもちゃたちにとって楽園のように思えたが……。いつかやってくる“別れ“をテーマに、おもちゃの世界の住人たちの友情と冒険をダイナミックに描く。


トイ・ストーリー3


「トイ・ストーリー」は1と2も好きでしたが評判どおりのすばらしい完結編でした。15年前の1作目と比べて映像は格段にきれいになり、ストーリーもよく練られていて最後まで飽きずにたのしめた良作。前作を未視聴でもまったく問題ないです。3部作で3が一番おもしろいってどういうことなの…。

何よりアンディのおもちゃたちがみんなかわいくてゆかいで一生懸命で相変わらず魅力的なのが強いです。特にポテトヘッドやスリンキー・ドックがそれぞれ自分の特性を生かしながら機転をきかせて活躍する脱出アクションがおもしろい。バズの人格崩壊やケンとバービーの奇妙なラブロマンスも物語のスパイスになっています。何気にトトロのぬいぐるみも友情出演していたり。


冒頭で子供の頃のアンディが無邪気に笑いながらおもちゃで遊ぶシーンからしてウルッときてたのでラストシーンは涙で画面が滲んで前が見えなくなるほどたいへんでした。あれは泣く。どう考えても泣くわ。大人になって忘れかけていたものをあたたかい感動に包んで思い出させてくれた最高に幸せなラストだったとおもいます。最後どうなってしまうのか展開が読めなかったのでハラハラしましたが、みんなが笑顔で幕を閉じることができて本当によかったですよもう。イイハナシダナー
私も昔かわいがっていたぬいぐるみがたくさん今でも捨てられずに押入れの中に放置してあるので、胸が締め付けられるような想いでした。そういう誰しも覚えのあるような懐かしくてやわいとこを優しく刺激して涙腺に訴えるのは卑怯 いいぞピクサーもっとやれ。
おもちゃたちはアンディのこと大好きだしアンディもおもちゃのこと大切におもってるしもう両想いでラブラブだなおまえら…。


1作目から吹き替えで観ているので声の違和感はなし。以前映画館で3D酔いしたことを引きずっているため今回あえて2Dで観たのですが、まあ3Dでなくてもいいんじゃないかなとおもえる感じでした。ただ、本編上映前に流れた短編「Day&Night」は3Dでの鑑賞がおすすめ。なんかえらい評判良いみたいなんですが、2Dだとあんまりピンとこなかったので残念です。




ヒックとドラゴン

シュレック』『モンスターVSエイリアン』を生みだしたドリームワークスアニメーションが贈る最新作。バイキングとドラゴンが長年戦い続けている遠い昔、バイキングの少年ヒックと怪我をして飛べなくなったドラゴンのトゥースが偶然出会う。天敵同士である彼らの友情が起こす“奇蹟“を感動的に描いたファンタジック・アドベンチャーだ。


ヒックとドラゴン


こちらも「トイ・ストーリー」同様CGアニメ。先月試写会に当選して上映前に観ることができた映画です。ドリームワークス最高傑作との呼び声が高いとの評判に惹かれて観にいったのですが伊達じゃなかった。ドリームワークス全部観てるわけではないですが、今まで観た同社の作品の中ではマジで最高傑作なんじゃないかとおもえる完成度でした。


あらすじを見れば大体ひととおりの展開が想像のつく、王道といえば王道のストーリー。でも「バイキングの少年と怪我をして飛べなくなったドラゴンが出会う」という一文だけでわっふるわっふるしてくるのは私だけじゃないとおもいます。バイキングをモチーフにして差別化はかってるのもいい具合。
序盤はやかましくて若干急ぎすぎな感もありましたが、ヒックがドラゴンのトゥースに出会ってからはおもしろさが加速。最初は強い警戒心を見せていたトゥースが徐々にデレていき、さえないヒックがトゥースを乗りこなして凶暴なドラゴンも片手でおとなしくさせられるまでに成長していく過程がたのしくてやばいです。主人公のチートに周囲が唖然とする図というのはいつ見ても厨二心がくすぐられます。
ドラゴンに乗って大空を飛び回るシーンは超爽快。本当にドラゴンを操縦して空を飛んでいるようでとにかく気持ちいいです。うつり変わる景色や空の色も美しさも見どころ。なんとなく「アバター」意識してるっぽいけど。
巨大ドラゴンと大迫力の戦いや親子の絆にも胸が熱くなりました。お互いを理解することの大切さ。「アイアン・ジャイアント*1のような終わりになるのかとおもいきや、しっかりとまとまっていていいラストでした。


試写会の仕様が2D吹き替えだったのですが、家族向け映画なのに吹き替えに芸能人を起用していなかったのが好印象。やっぱり本業の上手い声優が声あててくれた方が映画の世界に集中できるから好きです。トゥース繋がりでオードリーを宣伝で使ってますが春日が主人公役とかじゃなくて本当によかった。
ちなみにヒロインの役は「けいおん!」ムギ役でおなじみの寿美菜子さんでした。ムギと違って強気な肉食系だったからスタッフロール観るまで全然気が付かなかったです。というかあまりにもヒックとトゥースのいちゃいちゃばかり目について完全にヒロインの存在がかすんでました。トゥースかわいいよトゥース。



まとめ

キャラクターの魅力とストーリーの面白さと感動は「トイ・ストーリー3」の方が上だけど、観たあとの満足感と爽快感と「もう一度観たい!」とおもえるのは「ヒックとドラゴン」の方が上かなあ。どちらの作品も子供から大人まで楽しめるので、夏休みのお出かけに是非。


そしてその後に勢いでウッディー買っちまったスレとか開いて余韻も何もかもぶち壊しにするのが大人になるということだ…。
 
 

*1:少年とロボットが出会う名作アニメ映画。ラストは号泣。